四半期で見るビットコイン2013–2026:データが語る規律と後半戦
2026年6月30日、ビットコインは約58,500ドルで第2四半期を終えた。四半期ベースで14.1%の下落、その前の第1四半期はすでに22.2%下げている。これで2026年は、ビットコインの取引史上、2018年と2022年に次いで3度目となる「年初から2四半期連続下落」の年になった。さらに2025年第4四半期の23.2%の下落まで数えれば、現在は3四半期連続の下落となり、ビットコイン史上最長の連続下落記録に並んだことになる。
こうした局面でこそ、ビットコインの四半期リターンの完全な一覧表は、どんな威勢のいい相場観よりも価値を持つ。四半期データは、17年分の熱狂、暴落、半減期、マクロショックを、実際に読める一枚の表に圧縮してくれる。そして今週飛び交っている主張——「Q4はいつもビットコインを救う」「3四半期連続の下落は起きたことがない」「2026年は2022年の再来だ」——を、実際の歴史と突き合わせて検証できる。本ページがそのリファレンスだ。ビットコインの2013年以降の全四半期、「季節性」論の土台にある平均値と中央値、そして現在の相場に対する史上2つしかない先例の詳細な検討である。

ビットコイン四半期リターン完全表(2013–2026)
下の表は、十分な流動性と継続的な取引所価格が存在する最初の年である2013年以降、ビットコインの暦四半期ごとの価格リターンを示している。数値は小数第1位に丸めており、CoinGlass などの公開トラッカーと同じ集計方法に従う。2025〜2026年の数値は四半期末終値から算出した。
| 年 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 |
|---|---|---|---|---|
| 2013 | +539.0% | −3.9% | +40.6% | +479.7% |
| 2014 | −37.4% | +40.4% | −39.7% | −16.7% |
| 2015 | −24.4% | +7.6% | −10.2% | +81.2% |
| 2016 | −3.1% | +62.1% | −9.4% | +58.2% |
| 2017 | +11.9% | +131.0% | +80.4% | +215.1% |
| 2018 | −49.7% | −7.7% | +3.6% | −42.2% |
| 2019 | +8.7% | +159.4% | −22.9% | −13.5% |
| 2020 | −10.8% | +42.3% | +17.9% | +168.0% |
| 2021 | +102.9% | −40.4% | +25.0% | +5.5% |
| 2022 | −1.5% | −56.2% | −2.6% | −14.7% |
| 2023 | +71.8% | +7.2% | −11.5% | +56.9% |
| 2024 | +68.7% | −11.9% | +1.0% | +47.7% |
| 2025 | −11.8% | +29.8% | +6.4% | −23.2% |
| 2026 | −22.2% | −14.1% | — | — |
まず、しばしば誤って引用される記録をいくつか確定させておこう。
- 史上最高の四半期: 2013年Q1の+539.0%。次点は同じ2013年Q4の+479.7%——ビットコインが約13ドルから750ドル超まで駆け上がった年である。
- 史上最悪の四半期: 2022年Q2の−56.2%。Terra/LUNA の崩壊と Celsius の出金凍結が立て続けに直撃した四半期だ。
- 最長の連続下落: 3四半期。これまでに3回記録されている——2014年Q3〜2015年Q1、2022年Q2〜Q4、そして2025年Q4〜2026年Q2。ビットコインが4四半期連続で下落したことは一度もない。
- 最も極端な年: 2013年。+400%超の四半期が年に2つもあった。それ以降、この規模に近づいた年は存在しない。
平均値が語るビットコインの季節性
表の各暦四半期を平均すると、世に出回るあらゆる「ビットコイン季節性」チャートの元になっている数字が得られる。
| 四半期 | 平均リターン | 中央値 | プラスの回数 |
|---|---|---|---|
| Q1 | +45.9% | −2.3% | 14回中6回 |
| Q2 | +24.7% | +7.4% | 14回中8回 |
| Q3 | +6.0% | +1.0% | 13回中7回 |
| Q4 | +77.1% | +47.7% | 13回中8回 |
平均値と中央値を並べると、2つの事実が浮かび上がる。
第一に、Q1は平均値が示すよりはるかに弱い。 +45.9%という平均は、ほぼ単一の外れ値——2013年Q1の+539%——が作ったものだ。第1四半期の中央値は実はマイナス(−2.3%)であり、14年のうち8年でQ1は下落して終わっている。「年初は弱い」という市場の癖は実在し、2026年もそのパターンに沿っている。
第二に、Q4はあらゆる尺度で強い唯一の四半期である。 +77.1%の平均も2013年に引っ張られているが、中央値でも+47.7%あり、ビットコインの生涯リターンの大半は第4四半期が生んできた——2013年、2017年、2020年、2023年、2024年はいずれも猛烈なQ4で締めくくられた。これが「Uptober/Q4ラリー」という相場格言の統計的な背骨だ。ただし重大な注記がある。直近2回のベア局面、2018年と2022年ではQ4は下落しており——2025年Q4も−23.2%でその仲間入りをした。Q4はブル局面では最強の四半期だが、ベア局面では何の保護にもならない。
第三に、Q3は正真正銘の「昼寝の四半期」だ。平均+6.0%、中央値+1.0%、そして全サンプルを通じて+81%を超えたQ3は一つもない。夏の凪相場は神話ではない。
「年初2連敗」:2018年、2022年、そして2026年
ビットコインが2四半期連続の下落で年を開けたのは過去2回だけであり、その2年こそが2026年後半に対する唯一の本物の先例となる。
| 年 | Q1 | Q2 | 上半期累計 | Q3 | Q4 | 下半期累計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2018 | −49.7% | −7.7% | −53.6% | +3.6% | −42.2% | −40.1% |
| 2022 | −1.5% | −56.2% | −56.9% | −2.6% | −14.7% | −16.9% |
| 2026 | −22.2% | −14.1% | −33.2% | ? | ? | ? |
2018年は2017年の個人投資家バブルの巻き戻しの年だった。2017年12月に20,000ドル近辺でピークを付けた後、ビットコインは一年中しぼみ続け、後半戦も救いはなかった。ほぼ横ばいのQ3の後、11月のハッシュ戦争パニックが−42.2%という苛烈なQ4をもたらした。年末は約3,700ドル、年間で72%の下落だった。
2022年はマクロのベアマーケット——FRBによる数十年で最速の利上げサイクル——に、暗号資産業界固有の連鎖破綻が重なった年だ。5月の Terra/LUNA、6月の Three Arrows と Celsius、11月の FTX。この年も後半に救いはなく、出血がゆっくりになっただけだった。Q3は−2.6%、Q4は−14.7%、年末は約16,500ドルで、年間64%の下落となった。
サンプル2つから言えることは限られるが、それでも最も耳当たりのよいシナリオを否定するには十分だ。2つの先例のいずれでも、「年初2連敗」の年の後半はやはりマイナスだった。上半期に下げたから下半期は機械的に上がる、と請け合う人間は、存在する唯一の歴史に逆らって主張していることになる。
ただし相違点も重要だ。2026年上半期の下落(−33.2%)は、2018年(−53.6%)や2022年(−56.9%)よりはるかに浅い。今回の下落は2025年10月の史上最高値約126,000ドルから始まり、これまでのところ債務不履行の連鎖ではなく、リプライシング(価格の再評価)として進行している——Mt. Gox も Terra も FTX も起きていない。市場の構造的な買い手も違う。現物ETF、企業のトレジャリー、国家レベルの実験は2018年には存在せず、2022年でもごく僅かだった。これらが2026年Q3を支えるのか、それとも下落を遅らせるだけなのか——それこそがこの四半期を注視すべき理由だ。4四半期連続の下落となれば、ビットコイン史上初の出来事になる。
なぜ四半期はまとまって動くのか:半減期と流動性
ビットコインの四半期リターンはランダムに現れるのではなく、レジームごとに固まって現れる。表を見れば2つの主要ドライバーがはっきり分かる。
第一は半減期サイクルだ。ビットコインのブロック報酬はおよそ4年ごとに半減する(半減期の仕組み)。そして、これまでのすべての半減期——2012年、2016年、2020年、2024年4月——の後、約18か月以内に史上最高値への上昇が続いた。2013年の二段ロケット、2017年のバブル、2020〜2021年のメルトアップ、そして2025年10月に126,000ドルで天井を付けた2024〜2025年の上昇だ。その鏡像として、各半減期の2年後——2014年、2018年、2022年、そして今の2026年——は、サイクルの「洗い流しの年」となってきた。現在の3四半期連続安は苦しいが、4年周期のリズムがいつも用意してきたまさにその場所に、予定どおり現れているとも言える。
第二はグローバル流動性である。ビットコイン最悪の四半期群は金融引き締めと重なる。2018年の量的引き締め、2022年の金利ショックがそれだ。最良の四半期群は緩和と重なる。2019年Q2(+159.4%)はFRBのハト派転換の直後であり、2020年Q2〜Q4はパンデミック時の景気刺激策の波に乗った。おおざっぱに言えば、四半期リターンとは「カネが安くなる」ことへのレバレッジをかけた賭けなのだ。だからこそ、イーサリアム(Ethereum)やSolanaといった主要銘柄を追うトレーダーは、同じ四半期のリズムを、より大きな振幅で目にすることになる。
四半期表に騙されずに使う方法
リファレンス表は文脈を与える道具であって、シグナル生成器ではない。3つのルールがこの表を誠実に保つ。
サンプルサイズを尊重せよ。 14年とは、Q1が14個しかないということだ。上述の季節性の主張はどれも、統計学者なら「逸話」と呼ぶサンプル数の上に成り立っている。四半期の傾向は、リアルタイムの情報で即座に上書きされるべき弱い事前確率として扱うべきだ。
レジームと季節を区別せよ。 この表の最も明確な教訓は「10月に買え」ではない。ブル・レジームは緑のQ4を生み、ベア・レジームは赤のQ4を生む、ということだ。いま自分がどちらのレジームにいるかの見極めは、カレンダーの月名よりはるかに重要である。
フォークロアよりライブの証拠を優先せよ。 「Q4は歴史的に強い」と「今年のQ4にビットコインは上がる」の間の溝こそ、大半の季節性トレードが命を落とす場所だ。その溝を埋める方法は、市場が——そして市場を取引しているモデルたちが——2013年以降の平均ではなく、いまどう振る舞っているかを見ることである。

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FAQ:ビットコインの四半期リターン
ビットコインの歴史上、最も強い四半期は?
Q4が圧倒的だ。第4四半期は平均+77.1%、中央値+47.7%で、13年中8年でプラスだった。ただし単一四半期の最高記録は2013年Q1の+539%である。
最も弱い四半期は?
Q3だ。平均はわずか+6.0%、中央値+1.0%——勝ってもあまり払い戻しのないコイントスに近い。単一四半期の最悪は2022年Q2の−56.2%で、Terra/LUNA 崩壊のさなかだった。
ビットコインが3四半期連続で下落したことはある?
ある。3回だ。2014年Q3〜2015年Q1、2022年Q2〜Q4、そして現在進行中の2025年Q4〜2026年Q2。4四半期連続の下落は一度もない——だからこそ2026年Q3は歴史的な意味を持つ。
2026年は2018年と2022年のどちらの再来か?
構図は似ている——3年とも半減期サイクルの「洗い流しの年」に2四半期連続安で始まった——が、2026年上半期の下落(−33.2%)は両先例より約20ポイント浅く、大手プラットフォームの破綻も起きていない。ただし2018年も2022年も、後半戦はやはりマイナスだったことは覚えておくべきだ。
ビットコインの現在の四半期をライブで観察するには?
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データは公開取引所価格と四半期パフォーマンストラッカーから集計し、小数第1位に丸めた。本記事は投資助言ではない。この表自体が示すとおり——過去の四半期リターンは将来を予測しない。



