大統領任期の何年目が、実際に投資家を潤してきたのか
米国の大統領任期は4年で、市場の言い伝えはその4年それぞれに性格を割り当ててきた。1年目は改革の年、2年目は苦しい年、3年目はホワイトハウスが最も景気を過熱させたい年、4年目は選挙の年。整った物語である。有用な問いは、リターンが本当にその物語の裏付けになっているかどうかだ。
なっている——米国株のどのカレンダー・アノマリーよりも明快に。1928年から2025年までの98年分のS&P500トータルリターンで見ると、大統領任期3年目は平均+17.8%、92%の年がプラスで終えている。2年目、すなわち中間選挙の年は平均わずか+7.1%、プラス率は58%。同じ指数、同じ一世紀で、カレンダーが選挙サイクルのどこに位置していたかという一点だけで、年率10ポイントの差がついている。
これが今まさに重要な理由は具体的だ。2026年は中間選挙の年である。 投票日は2026年11月3日。それが過ぎた瞬間、サイクルは3年目に入る。
これは予測記事ではなくデータ記事である。数字はすべて一つの公開データセットに由来し、手法は末尾で明示し、このパターンが見た目ほど強くない箇所も、埋めずに明記した。
大統領サイクルとは実際に何なのか
大統領サイクル(あるいは「選挙サイクル」)理論は、1960年代のイェール・ハーシュ『Stock Trader's Almanac』に遡る。主張は単純で、財政・金融政策は任期の中で均等に配分されないのだから、株式リターンも均等にはならない、というものだ。
本稿を通じて用いる4つの位置づけは次のとおり。
- 1年目——選挙後の年。 大統領選の翌年(2025年、2021年、2017年……)。新政権、新しい政策課題、任期の中で最も市場に優しくない半分であることが多い。
- 2年目——中間選挙の年。 連邦議会中間選挙(2026年、2022年、2018年……)。政策の不確実性が頂点に達し、大統領の所属政党は通常議席を失う。
- 3年目——選挙前年。(2027年、2023年、2019年……)次の選挙戦を前に、政権が成長・雇用・資産価格を最も正しい方向へ動かしたい年。
- 4年目——選挙の年。 大統領選そのもの(2028年、2024年、2020年……)。
計測するのは暦年のトータルリターン——値動きに配当再投資を加えたもの——である。それが投資家が実際に手にする収益であり、また出典データセットが公表している指標だからだ。

1928年以降の各サイクル位置:リファレンス表
| サイクル位置 | 年数 | 平均 | 中央値 | プラス率 | 最悪 | 最良 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1年目 · 選挙後 | 25 | +10.6% | +12.4% | 60% | −35.3%(1937年) | +50.0%(1933年) |
| 2年目 · 中間選挙 | 24 | +7.1% | +5.0% | 58% | −25.9%(1974年) | +52.6%(1954年) |
| 3年目 · 選挙前年 | 24 | +17.8% | +22.5% | 92% | −43.8%(1931年) | +46.7%(1935年) |
| 4年目 · 選挙年 | 25 | +11.9% | +15.9% | 84% | −36.5%(2008年) | +43.8%(1928年) |
| 全年 | 98 | +11.9% | +15.2% | 73% | −43.8% | +52.6% |
順序は明確だ。3年目 > 4年目 > 1年目 > 2年目。そしてこれは大恐慌期が標本の先頭に居座っているせいの偶然ではない。記録を3つに切り分けてみる。
| サイクル位置 | 1928年以降 | 1950年以降 | 1980年以降 |
|---|---|---|---|
| 1年目 · 選挙後 | +10.6% · プラス60% | +11.5% · プラス63% | +18.3% · プラス83% |
| 2年目 · 中間選挙 | +7.1% · プラス58% | +8.3% · プラス63% | +5.9% · プラス64% |
| 3年目 · 選挙前年 | +17.8% · プラス92% | +20.8% · プラス100% | +19.2% · プラス100% |
| 4年目 · 選挙年 | +11.9% · プラス84% | +11.4% · プラス89% | +10.0% · プラス83% |
3年目は切り分けを生き延びるどころか、より強くなる。1950年以降も1980年以降も、選挙前年はすべてプラスで終えている。2年目は現代標本で悪化する唯一の位置で、1980年以降の平均はわずか+5.9%である。
3年目:最強の年と、それを破った2回
標本にあるすべての選挙前年は以下のとおり。
1931年 −43.8% · 1935年 +46.7% · 1939年 −1.1% · 1943年 +25.1% · 1947年 +5.2% · 1951年 +23.7% · 1955年 +32.6% · 1959年 +12.1% · 1963年 +22.6% · 1967年 +23.8% · 1971年 +14.2% · 1975年 +37.0% · 1979年 +18.5% · 1983年 +22.3% · 1987年 +5.8% · 1991年 +30.2% · 1995年 +37.2% · 1999年 +20.9% · 2003年 +28.4% · 2007年 +5.5% · 2011年 +2.1% · 2015年 +1.4% · 2019年 +31.2% · 2023年 +26.1%
24回のうちマイナスは2回だけ。1931年(−43.8%、98年の標本全体で最悪の単年)と1939年(−1.1%、ドイツがポーランドに侵攻した年)。1939年以降は21年連続で選挙前年がプラス、平均+20.3%である。
この連勝記録は大統領サイクル論で最も引用される統計だが、めったに付されない注釈がある。1931年もこのバケツの中にあるのだ。3年目のグループは、最高の勝率と記録上最も深い穴の両方を抱えている。−43.8%のテールを伴う平均+17.8%は、安定した+17.8%とはまるで別物である。
連勝の中で最も薄氷だった3回も示唆に富む。2011年(+2.1%)、2015年(+1.4%)、2007年(+5.5%)。3回ともプラスで、3回とも+20%にはほど遠く、2007年の直後には2008年の−36.5%が来た。「プラス」と「良かった」は同じ主張ではない。
2年目が最弱——そして今がその年である
中間選挙の年はこのサイクルの問題児だ。平均+7.1%、中央値+5.0%、プラスはわずか58%、しかも現代標本で悪化した唯一の位置である。姉妹リファレンスの中間選挙の年と株式市場がこの年を細かく分解している——平均より深い年内ドローダウン、9〜10月の底打ちゾーン、そして選挙結果そのものが何を意味し何を意味しなかったか。
その記事が扱っておらず、絵を完成させるのが、次のバトンの受け渡しである。
2年目 → 3年目の受け渡し
| 中間選挙年 | その年 | 翌年(選挙前年) |
|---|---|---|
| 1930 | −25.1% | −43.8% |
| 1934 | −1.2% | +46.7% |
| 1938 | +29.3% | −1.1% |
| 1942 | +19.2% | +25.1% |
| 1946 | −8.4% | +5.2% |
| 1950 | +30.8% | +23.7% |
| 1954 | +52.6% | +32.6% |
| 1958 | +43.7% | +12.1% |
| 1962 | −8.8% | +22.6% |
| 1966 | −10.0% | +23.8% |
| 1970 | +3.6% | +14.2% |
| 1974 | −25.9% | +37.0% |
| 1978 | +6.5% | +18.5% |
| 1982 | +20.4% | +22.3% |
| 1986 | +18.5% | +5.8% |
| 1990 | −3.1% | +30.2% |
| 1994 | +1.3% | +37.2% |
| 1998 | +28.3% | +20.9% |
| 2002 | −22.0% | +28.4% |
| 2006 | +15.6% | +5.5% |
| 2010 | +14.8% | +2.1% |
| 2014 | +13.5% | +1.4% |
| 2018 | −4.2% | +31.2% |
| 2022 | −18.0% | +26.1% |
24組すべてを通じて、選挙前年がプラスだったのは22回(92%)、平均+17.8%である。
条件付きで切るとさらに鋭い。中間選挙年そのものがマイナスで終えた10回では、翌年の選挙前年は10回中9回プラスで、平均+20.7%——無条件平均を上回る。1930年→1931年が唯一の例外で、これは大恐慌の内部にある。近年の例は印象的だ。2018年(−4.2%)→2019年(+31.2%)、そして2022年(−18.0%)→2023年(+26.1%)。
鏡像も同じだけ価値がある。強い中間選挙年のあと、3年目はしばしば平凡だった。1938年(+29.3%)→1939年(−1.1%)。1986年(+18.5%)→1987年(+5.8%)。2006年(+15.6%)→2007年(+5.5%)。2010年(+14.8%)→2011年(+2.1%)。2014年(+13.5%)→2015年(+1.4%)。このサイクルはカレンダーの保証というより、カレンダーの衣装をまとった平均回帰に見える。
複利の差
算術を最後まで押し進めてみる。1928年に100ドルを用意し、ある一つのサイクル位置に該当する年だけS&P500を保有し、それ以外は現金で置く。
| 戦略 | 100ドルの到達点 |
|---|---|
| 3年目・選挙前年のみ | 3,596ドル |
| 4年目・選挙年のみ | 1,235ドル |
| 1年目・選挙後のみ | 781ドル |
| 2年目・中間選挙のみ | 334ドル |
| 毎年買って持ち続ける | 1,157,001ドル |
同じ指数、同じ98年で、カレンダーの最良の4分の1と最悪の4分の1のあいだに11倍の開きがある。そして、これを文字どおり実行しようとする人を止めるべき数字がこれだ。毎年買って持ち続けると100ドルは1,157,001ドルになった——最良の単一位置戦略の322倍である。このサイクルが教えてくれるのはリターンの分布についての何かであって、4年のうち3年は市場から降りていろ、ということではない。

平均が隠しているばらつき
それぞれ24ないし25の観測から計算した4つの平均は薄い土台であり、棒グラフはそれを美化してしまう。代わりに各年を個別にプロットすると、正直な絵が現れる。グループ間の大幅な重なり、両方向のファットテール、そして全データ中で最悪の観測を抱える3年目のバケツ。

1年目には一言添える価値がある。最も誤解されている位置だからだ。全標本で見ると平凡に映る——25年中10年がマイナスで、どの位置よりも多い。しかし1980年以降は平均+18.3%、プラス率83%である。その負け年はほぼすべて1982年より前に固まっている。1929年、1937年、1941年、1953年、1957年、1969年、1973年、1977年、1981年、そして2001年、それ以降はない。「1年目は悪い年」がかつて描写していたものが何であれ、この40年を描写してはいない。
2026年、サイクルはどこにいるのか
- 2025年は1年目だった。S&P500は+17.7%。
- 2026年は2年目、中間選挙の年である。2026年7月30日時点で、SPYは年初来+8.8%(価格ベース)——中間選挙年の中央値+5.0%をすでに上回っており、残り5か月と選挙を控えている。
- 2027年が3年目になる。
つまり現状は教科書的な型に合っていない。教科書の中間選挙年は荒れ、一桁かマイナスで終え、3年目の反発をお膳立てする。ところが2026年はタカ派のFRBと地政学リスクプレミアムのもとで7か月にわたり切り上がってきた——7月のCPIやAIモメンタムの巻き戻しで追ってきたのと同じ逆風である。
これが重要なのは、先ほどの条件付きの発見があるからだ。3年目は弱い中間選挙年のあとに最も強く(+20.7%、10回中9回)、強い中間選挙年のあとには明らかに平凡だった(1939年、1987年、2007年、2011年、2015年はいずれも二桁の中間選挙年の後に来ている)。2026年が現在の水準のまま終えるなら、歴史上より近い類例は後者のグループである。
このパターンが存在しうる理由——そして存在しないかもしれない理由
肯定側: 政権には動機も手段もある。財政刺激、規制緩和、税制措置は任期の後半に配置されがちだ。FRBは名目上独立しているが、景気循環と政治循環は歴史的に韻を踏んできた。そして市場が直接価格に織り込む不確実性は、中間選挙の前に最も高く、議会構成が判明した後に最も低い。
否定側。多くの解説が認めるより強い:
- 標本が小さすぎる。 各バケツ24観測。1931年ひとつで3年目の平均は1.8ポイント以上動く。
- このパターンは公知である。 1960年代から『Stock Trader's Almanac』に載っている。広く知られたカレンダー・アノマリーは通常摩耗する。3年目が摩耗していないのは、駆動要因が本物だという証拠か、標本が小さすぎて減衰を検出できないという証拠のどちらかだ。
- 交絡が至るところにある。 2023年の+26.1%はAI主導のメガキャップ相場とディスインフレ取引だった。これを「選挙前年の」リターンと呼ぶのは、カレンダーがやっていないことをカレンダーの手柄にすることである。
- サイクル位置はメカニズムではない。 それは横軸のラベルにすぎない。メカニズムがあるとすれば政策と金利であり、だからこそFRB利上げサイクルと利下げサイクルのリファレンスのほうが、どんな政治的物語よりもこの表の相棒にふさわしい。
このサイクルはベースレートと文脈として扱うべきで、シグナルとして扱うべきではない。
カレンダーを売買せずにサイクルを追う方法
カレンダー効果は出発点の仮説である。実際のポジションを決めるのは、いま板とファンダメンタルズが何をしているかだ。
- SimianX AI は同じ銘柄にマルチエージェント分析——テクニカル、ファンダメンタルズ、ニュース、意思決定エージェント——を一つの枠組みで走らせる。季節性の事前確率が実際の証拠に取って代わるのではなく、証拠で検証される。
- ライブ分析セッション——SPYでも個別銘柄でもセッションを開き、エージェントが実際の水準を処理する様子を見る。
- SimianX オートパイロット はあなたのスケジュールで分析を再実行し、FRBの決定、ブレイクアウト、決算といった気にかけている事象が実際に発生したときに通知する。
- マーケットパルス は株式と暗号資産の52週・30日の極値を、出現した時点で検出する。
- AIモデル・リーダーボード——6プロバイダーの30モデルが実際のポジションで取引しており、モデルの実力は主張ではなく損益で測られる。
カレンダー地図の残りについては、4年サイクルの下に横たわる月次のパターンを扱ったS&P500の季節性リファレンスを参照されたい。
よくある質問
大統領サイクルのどの年が株式に最も良いのか。
3年目、選挙前年である。1928年以降の平均は+17.8%で92%の年がプラス。1950年以降はすべての選挙前年がプラスで、平均+20.8%。
最悪の年は。
2年目、中間選挙の年。平均+7.1%、中央値+5.0%、プラス率58%——1980年以降の平均はわずか+5.9%。
中間選挙の後、株式はどうなるのか。
翌年の選挙前年は24回中22回(92%)プラスで、平均+17.8%。中間選挙年がマイナスだった場合は10回中9回プラスで、平均+20.7%。
選挙前年がマイナスだったことはあるか。
24回中2回。1931年(−43.8%)と1939年(−1.1%)。1939年以降はなく、21年連続でプラスである。
ホワイトハウスをどの党が握るかは重要か。
このデータセットが決着をつけられる形では重要でない。1928年以降、両党とも任期は十数期ずつで、党派別に切ると景気循環と区別できないほど標本が小さくなる。大統領選挙年のリファレンスが党派と現職の切り分けを直接扱っている。
いまサイクルのどこにいるのか。
2026年は中間選挙の年(2年目)。投票日は2026年11月3日で、2027年が選挙前年(3年目)になる。
実際にこれで売買すべきか。
複利の表がそれに反対している。1928年以降、3年目だけを保有すると100ドルは3,596ドルになり、毎年保有すると1,157,001ドルになった。このサイクルは各位置の「普通の年」がどう見えるかのベースレートとして有用であって、4分の3の期間を現金でいろという指示ではない。
手法と限界
リターンはアスワス・ダモダラン教授が維持するNYU Stern歴史リターン・データセットによるS&P500の年間トータルリターン(値上がり益+配当再投資)で、1928〜2025年の完全な98暦年を対象とする。同データセットは米国資産の長期リターンに関する学術的な標準参照であり、自由に検証できるため、本稿のすべての数字は再現可能である。
サイクル位置は暦年から算術的に割り当てた。4で割り切れる年が4年目(選挙年)、その翌年が1年目、以下同様である。2026年の年初来の数字は別個の計測であり、SPYの価格リターン——2025年12月31日終値681.92ドルから2026年7月30日終値741.69ドルまで——をSimianX自身の日足キャッシュから取得した。配当を含まないため、同等のトータルリターンよりおよそ0.7〜1.0ポイント低く、また1年ではなく部分年である。
この表を使うときに一緒に持ち歩くべき4つの限界。
標本サイズ。 各バケツ24〜25観測。これは記述統計であって有意性検定ではなく、p値は含意されていない。
ファットテール。 これらの平均は−43.8%と+52.6%を含む分布の上に乗っている。どのバケツでも中央値のほうが誠実な中心推定であり、上のドットプロットはどの棒よりも誠実な要約である。
レジームの重なり。 3年目が最も強かった時代(1950年以降)は、戦後の拡大、ボルカーのディスインフレ、そして40年にわたる金利低下の時代でもある。24のデータ点で「選挙前年」と「金利低下レジーム」を分離することはできない。
枠組み自体の生存バイアス。 大統領サイクル理論が有名になったのは、それを生んだ標本の中でパターンが強かったからである。見かけの強さの一部は選択によるものだ。
以上はいずれも投資助言ではない。計算過程を開示したリファレンス表にすぎない。
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